- トイレタンクの水漏れを見つけたら、①止水栓を閉め・②水を流し切り・③床を養生する3ステップで応急処置する
- タンクから水が止まらない・床が濡れるなどの症状が起きたら、ボールタップやフロートバルブの故障などの要因を確認する
- トイレタンクの修理を依頼する際は、料金が明確・実績公開・説明が丁寧な業者を選ぶとよい
トイレタンクからの水漏れを確認したら、タンクや内部の部品の故障が原因かもしれません。タンクの水漏れが常習化すると、トイレが適切に使用できなくなったり、水分が家財や家屋にダメージを与えてしまう恐れがあります。
本記事では、トイレタンクからの水漏れ時に実践すべき応急処置の仕方と、そもそもタンクから水漏れしてしまう原因を解説します。ぜひ、参考にしてください。
トイレタンクの水漏れを発見したときの応急処置3ステップ
トイレタンクの水漏れを発見したら、まず応急処置を行う必要があります。水漏れを放置すると床材の腐食が起きたり、集合住宅では階下へ漏水してしまったりと、被害が急速に拡大するおそれがあるためです。
応急処置を行う場合は、以下の3ステップで実施してください。
- ステップ①止水栓を閉めて給水を完全停止する
- ステップ②トイレタンク内の水を完全に流し切る
- ステップ③床への水漏れを防ぐ養生作業を実施する
これらのステップは、トイレの水漏れ被害を最小限に抑えるために必要な手順です。各ステップを詳しく解説していきます。
ステップ①止水栓を閉めて給水を完全停止する

トイレタンクの水漏れを発見したときに最初に行うべき応急処置方法は、止水栓を閉めてトイレへの給水を止めることです。止水栓を閉めることでトイレタンクへの水の供給が停止し、水漏れの進行を食い止められます。
止水栓はトイレタンク横の壁側、または床側にある銀色の金具で、そのタイプは大きく分けて「ハンドル式」と「マイナスドライバー式」の2種類です。ハンドル式の止水栓の場合は、手で時計回り(右回り)に回して閉めます。マイナスドライバー式の止水栓の場合は、マイナスドライバーを使って時計回りに回して閉める必要があります。
なお、止水栓をしっかり閉め切れたか確認するには、まずトイレタンク内の給水音が完全に止まったか聞いてみます。「シュー」や「チョロチョロ」という音が続く場合は、まだ水が供給されています。
次にレバーを操作して水を流し、タンク内に再び水が溜まらなければ止水は完了です。もし、水が再びタンク内に溜まるなら、止水栓が中途半端に開いています。また、止水栓や給水管を手で触れてみて、冷たさや振動があれば水が通っているので要注意です。
ステップ②トイレタンク内の水を完全に流し切る
2つ目に行う作業は、トイレタンク内の水を完全に流し切ることです。トイレタンク内に水が残っていると、修理作業中に水が溢れる可能性があります。
具体的な手順として、止水栓を閉めた状態でトイレのレバーを操作し、タンク内の水を全て便器に流します。レバーを引き続けることで、トイレタンク内の水を完全に空にすることが可能です。
ステップ①で止水栓を閉め切れなかった場合、タンク内の水を空にすることができないので、流しきれない場合は①を再確認してみましょう。
ステップ③床への水漏れを防ぐ養生作業を実施する

3つ目に行う作業は、トイレ床への水漏れを防ぐ養生作業です。養生(床や壁などを覆うこと)によって、トイレタンクから漏れた水が床材にダメージを与え、トイレ以外にも修理が波及してしまうことを防ぎます。
養生をする場合、まずはトイレタンクの外側や床の水分をできるだけ拭き取ります。次に、水漏れ箇所の下にバケツを置いたり、ビニールシートをかぶせたりと処置します。
床がフローリングの場合、トイレの水漏れで長時間濡れたままにすると、床が膨張や変形する可能性があるので要注意です。また、クッションフロアの床の場合は、継ぎ目から下地に水が浸入する可能性があるため、継ぎ目部分も丁寧に水気を拭き取ることを意識しましょう。
このような応急処置を行うことで、トイレタンクの水漏れ被害を最小限に抑えられます。ただし、応急処置はあくまで一時的な対処です。この後、必ず専門業者へ連絡しましょう。
【症状別診断】トイレタンクから水漏れする5つの原因と見分け方

トイレタンクの水漏れは、主に以下の5つの原因で引き起こされます。
- 原因①ボールタップ(浮き球)の故障
- 原因②フロートバルブ(ゴムフロート)の劣化
- 原因③オーバーフロー管からの溢水
- 原因④給水管接続部・パッキンの劣化
- 原因⑤トイレタンクのひび割れ・破損
トイレタンクのフタを開けて確認することで、より正確にこれらの水漏れ原因を突き止められます。普段は開けることのないトイレタンク内部ですが、水漏れ時には内部の状態を確認することが重要です。
それでは、5つの原因を1つずつ解説していきます。
原因①ボールタップ(浮き球)の故障

トイレタンク内で「シューッ」「チョロチョロ」と水が流れ続ける場合は、ボールタップ(浮き球)の故障が原因です。
浮き球が正常に水位を感知できず、給水を止められないとタンク内の水位が上昇し、後述のオーバーフロー管から水が溢れることがあります。放置すると水圧がかかり続け、樹脂製のオーバーフロー管が劣化・破損することもあるため注意が必要です。
ボールタップが正常に作動しない原因は主に3つです。1つ目は内部パッキンの劣化です。パッキンが硬化すると給水が止まりません。2つ目は浮き球アームの曲がりです。正常な水位で停止できず過剰に給水します。3つ目は浮き球が他部品に引っかかっているケースです。
このトラブルの確認方法として、トイレタンクのフタを開けて浮き球を手で上下させ、スムーズに動くか確かめましょう。動きが悪い、または水位が「WL(適正水位)」刻印より上まで上がっている場合は、ボールタップまたは浮き球の交換が必要です。
原因③オーバーフロー管からの溢水

トイレタンクの水漏れの原因として、オーバーフロー管から溢水することが挙げられます。オーバーフロー管が溢水する原因は、オーバーフロー管自体の破損や亀裂によるものです。
この破損を疑う場合は、トイレタンク内を確認し、水位がオーバーフロー管の上部を超えてしまっていないかチェックしてください。オーバーフロー管には「WL」という文字が刻印されており、その位置から2〜3cm下がトイレタンクの適正水位です。
なお、オーバーフロー管からの溢水によるトイレタンクの水漏れ症状は緊急性が高く、早急に対応する必要があります。
原因④給水管接続部・パッキンの劣化

給水管接続部・パッキンの劣化も、トイレタンクの水漏れの原因です。
給水管接続部の不具合やパッキンの劣化が進行すると、トイレタンク外側や床が濡れている、給水管のつなぎ目から水が滲み出る、止水栓付近が常に湿っているという症状が現れます。
接続部のナットが経年で緩んでいるケース、パッキンが硬化やひび割れを起こしているケースがあります。トイレを長年使用すると、振動でナットが徐々に緩み、トイレタンクから水漏れが発生する可能性があるのです。
そのため、止水栓付近や給水管の接続部を目視と触診でチェックしてください。手で触って湿っている箇所があれば、そこからトイレタンクの水が漏れている可能性が高いと言えるでしょう。
原因⑤トイレタンクのひび割れ・破損

トイレタンクの水漏れの原因5つ目は、タンク本体のひび割れや破損によるものです。トイレタンク表面から水が滲み出る、トイレタンク周辺の床が常に濡れている、目に見えるひびや亀裂があるという症状が現れます。
陶器製トイレタンクへの衝撃や、経年劣化による見えないクラックと呼ばれるヒビの発生が原因です。物をトイレタンクにぶつけたり、地震などでトイレタンクが揺れたりすると、陶器製のタンクにひび割れが発生します。
また、トイレタンクの結露と水漏れを見分ける方法も知っておく必要があります。結露の場合、梅雨時期や冬季にトイレタンクの表面全体が濡れます。一方、トイレタンクの特定箇所から継続的に水が滲み、拭いてもすぐに濡れてくる場合、トイレタンク本体の水漏れが疑わしくなります。
トイレタンクの水漏れは、複数の原因が重なっている場合もあるため、正確な診断は専門業者に依頼することがおすすめです。
トイレタンク水漏れの修理費用相場【部品別・作業別料金表】
トイレタンクの水漏れ修理費用は、原因となる部品や作業の難易度によって変動します。なぜ修理費用が変動するかというと、トイレタンクの部品交換だけで済む場合と、トイレタンクの取り外しが必要な大規模修理では、作業の手間が大きく異なるためです。
水道屋メンテプロでは、トイレタンクの水漏れに対して、お見積もり無料・出張費無料で対応しています。作業前に必ず次項のような料金を明示し、ご納得いただいてから施工を開始します。
修理部品別の作業料金について、相場一覧表を紹介します(※2025年10月現在)。
| 修理内容 | 作業料金(税込) | 作業時間目安 |
|---|---|---|
| トイレタンク内の部品交換(フロートゴム・ボールタップ等) | 8,800円〜 | 約40分 |
| トイレタンクの密結パッキンの交換 | 16,000円〜 | 約40分 |
| トイレタンクの密結タンクの交換 | 22,000円〜 | 約60分 |
| トイレタンクの隅付タンクの交換 | 22,000円〜 | 約60分 |
トイレタンクの水漏れ修理における信頼できる水道修理業者の選び方
信頼できるトイレ修理業者を選ぶことは、トイレタンクの水漏れを適正価格で確実に解決するために重要です。トイレタンクの水漏れ修理業者は数多く存在しますが、中には悪質な業者も潜んでいます。
適切な業者を見分ける方法を知っておくことで、トラブルを回避できます。以下3つのチェックポイントを確認し、トイレタンクの水漏れについて優良な修理業者を見つけましょう。
- 料金体系が明確で事前見積もりがある業者を選ぶ
- 実績と施工事例が公開されている業者を選ぶ
- 電話対応・説明が丁寧で分かりやすい業者を選ぶ
それぞれのチェックポイントを1つずつ解説していきます。
料金体系が明確で事前見積もりがある業者を選ぶ
トイレタンク内部のフロートバルブ点検や給水管パイプのパッキン劣化交換を含む水漏れ修理を依頼する際は、料金体系が明確で事前見積もりを提示してくれる修理業者を選びましょう。事前見積もりがあるかないかで、作業後の高額請求トラブルを防げます。
見積もりなしで作業を始める修理業者は、後から「ボールタップやオーバーフロー管の交換が必要だった」として高額な料金を請求される可能性があります。そのため、作業料金・部品代・出張費の内訳が、給水管や排水パイプの接続部修理やパッキン劣化交換工賃まで明確に示されているかを確認してください。
「見積もり後の追加料金なし」を明言している修理業者であれば、安心してトイレタンクの水漏れ修理を依頼できます。
実績と施工事例が公開されている業者を選ぶ
トイレタンクの水漏れ修理業者を選ぶ際は、実績と施工事例が公開されている業者を選ぶことがおすすめです。年間の施工件数や創業年数は、修理業者がトイレタンクの水漏れ修理に対する信頼性と技術力を持っているかを測る指標となるため重要です。
実績のない業者や施工事例を公開していない業者は、技術力に不安があるため、トラブルが再発したり応急処置のまま放置される可能性があります。具体的には、ホームページやパンフレットで配管やオーバーフロー管の施工事例を公開している業者は、透明性が高く信頼できるでしょう。
実績と施工事例が公開されている業者を選ぶことで、トイレタンクの水漏れを確実に解決できるパッキン交換や部品交換の技術力を持つ業者を見極められます。
電話対応・説明が丁寧で分かりやすい業者を選ぶ
トイレタンクの水漏れ修理業者を選ぶ際は、給水管やオーバーフロー管のチェックからボールタップやフロートバルブの交換・部品交換費用まで丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。
電話対応や説明時に、専門用語を避けて蛇口やパイプ、ナットの場所やパッキン交換の直し方、DIYで自分で修理する場合の応急処置までわかりやすく解説してくれる修理業者は、顧客目線のサービスを提供してくれる可能性が高いです。電話やメールで問い合わせた時の修理業者の質を見極めるポイントとして活用しましょう。
トイレタンクの水漏れ原因や修理方法を分かりやすく説明してくれるか、質問に対して誠実に回答してくれるかを確認してください。また、マンションの管理規約や節水機能付きウォシュレット、TOTOやLIXIL製品の部品交換や自分で手洗い用トラップを取り付けるケースなど、お客様の状況に合わせて最適なプランを提示し、無理な営業や強引な契約を迫らない業者が理想的です。
例えば、今すぐ見積もりを取らないと料金が上がる、ポタポタ音が止まらないから急いだ方がいいと言う業者は避けるべきです。このように、電話対応や説明が丁寧で分かりやすい業者を選ぶことで、トイレタンクの水漏れ修理を安心して任せられます。
トイレタンクの水漏れは早期対応で被害を最小限に

トイレタンクの水漏れは、早期対応することで被害を最小限に抑えられます。トイレタンクの水漏れを放置してしまうと、水道代の増加や床材の腐食、集合住宅では階下への漏水による賠償トラブルなど、被害が拡大する可能性があります。
具体的には、本記事で解説した以下のポイントを押さえておきましょう。まず、トイレタンクの水漏れを発見したら、「止水栓を閉める→タンク内の水を流す→養生」の3ステップで応急処置を実施してください。
3ステップの手順を守ることで、トイレタンクの水漏れ被害を最小限に抑えられます。次に、トイレタンクの水漏れの原因は主に5つあります。
- ボールタップの故障
- フロートバルブの劣化
- オーバーフロー管からの溢水
- 給水管接続部・パッキンの劣化
- トイレタンク本体のひび割れ
5つの内どこに原因があるのかは、音や水の流れ方・濡れている場所から、ある程度特定可能です。トイレタンクの水漏れで修理業者を選ぶ際は、料金体系が明確で事前見積もりがあるか、実績と施工事例が公開されているか、電話対応や説明が丁寧で分かりやすいかの3つのポイントを確認しましょう。
このように、トイレタンクの水漏れは早期発見と適切な対処が重要です。


トイレタンクの水漏れは、水道屋メンテプロにお任せください!

